こんにちは、@silverlens.blogです。
最近、ずっと欲しかったマクロレンズ「SIGMA 70mm F2.8 DG MACRO」を購入しました。
純正のレンズはなかなかのお値段がするので、比較的安価なサードパーティーレンズで探していたところ、このレンズを見つけました。
「SIGMA 70mm F2.8 DG MACRO|Art」は、圧倒的な解像感とヌケの良さをコンセプトに設計されたレンズ。
このレンズは「カミソリマクロ」の異名を持つ、初代「MACRO 70mm F2.8 EX DG」の後継機です。今回はArtラインとしてさらに進化したこのレンズをもって、撮影旅に行ってきた様子を綴っていきたいと思います。
基本スペック
基本スペック | |
レンズ構成枚数 | 10群13枚 |
画角 | 34.3° |
焦点距離 | 70mm |
絞り羽根枚数 | 9枚(円形) |
最短撮影距離 | 25.8㎝ |
最大撮影倍率 | 1:1 |
F値(広角側) | F2.8 |
F値(望遠側) | F22 |
フィルターサイズ | φ49mm |
最大径×長さ(Sony Eマウント) | φ70.8mm×131.8mm |
重さ(Sony Eマウント) | 570g |
手振れ補正機構 | なし |


外観は黒のシンプルなデザインがかっこいい。
重さはSony Eマウント用で約570g。SIGMAのArtシリーズの中では小型軽量な部類ですが、私の使っている「Sony α7Ⅲ」のボディと合わせると1kg超。マクロはMFでじっくりピントを追い込むことが多いため、三脚や一脚があると撮影しやすいですね。


レンズは前群繰り出し式を採用。フードの内側で前玉が繰り出す仕組みです。最短撮影距離でのレンズ繰り出し時にフードを装着すると、鏡筒の先端がフードの先端と同じ位置に来ます。
マクロ撮影時は構図に集中して被写体とレンズが接触するアクシデントが起きやすいので、それを防ぐ意味でもフードを装着しての撮影がおすすめです。
では実際に撮りに行きましょう。
杉沢の沢スギ

今回のレビュー旅は、富山県入善町で行うことにしました。
入善町は北に日本海、南に北アルプス連峰を臨む海と山に囲まれた地域です。豊かな自然に囲まれ移住先としても選ばれています。
4月の下旬、最初に訪れたのは杉沢の沢スギ。国指定天然記念物として有名な沢スギを見られるスギ林です。落ち着いた空間で森林浴を楽しむことができます。



このレンズは9枚羽根の円形絞りを採用。開放付近で円形のボケを写すことができます。

そしてマクロ撮影。絞りはそのままに近寄ってみました。思った以上に寄れますね。
マクロ撮影の場合、基本はMFです。私の場合はピントリングをレンズの最短側まで回し、自分が収めたい構図になるまで被写体に近づきます。
あとはピントを合わせる部分と前後のボケ具合を確認しながら、被写体との位置を調整していきます。



マクロがあると撮影の選択肢が広がりますね。自分の好きな部分にピントを合わせて自由に景色を切り取ることができます。


木に生えた苔もこうしてみると面白いですね。


入善フラワーロード
続いて訪れたのは入善フラワーロード。
入善町では例年4月、町の特産品であるチューリップが畑一面に広がるフラワーロードを鑑賞することができ、多くの観光客が訪れます。
奥に連なるのは富山のシンボル 立山連峰。

70mmという焦点距離は中望遠の領域において、一般的な標準50mmよりも気持ち長めに景色を切り取れます。
撮影モードはボケ具合を細かく調整するために「絞り優先」
またピントの微調整に便利なのが「フルタイムマニュアルフォーカス機構」
AF撮影時でもシャッター半押しのままフォーカスリングを回すことで、素早くMFでピントの微調整ができます。



こちらはマクロ。ピントがあった部分はカミソリのように鋭い描写力。
ボケはあまり癖がなく滑らかな印象で、薄いピント面を包み込んでくれます。


チューリップの花びら。普段目に見えない世界も、マクロで自由に切り撮ることができます。あえてピントを外してみるのもおもしろいかも。


下山芸術の森発電所美術館

5月の上旬、日を改めて下山芸術の森美術館に来ました。ここは大正時代に建設され、取り壊される予定だった水力発電所をリノベーションした施設です。赤煉瓦のモダンな風格で、建物全体が美術館の様。


何やら面白そうなものを発見。発電に使う装置でしょうか。
金属の冷たい質感描写もかっこいいですね。


5月は田植えの時期。水を張った水田が、入善町の豊かな自然風景に美しく溶け込んでいます。


日が落ちてきたので、最後に夕陽を撮って終了。
70mmなので広角の様に広くは撮れませんが、その解像力は圧倒的です。
絞るほどに緻密で繊細な描写が際立ちます。
下山芸術の森美術館 屋上展望塔より撮影。

最後に
このレンズを使っていて個人的に気になった点としてはやはりAF速度。
前群繰り出しの構成なので、インナーフォーカスに比べるとAF速度が少し遅い時があり、ピント合わせが不安定になる場面も何度かありました。
ただ、風景や街角スナップ等で瞬間的にピントを合わせるシーンや動体撮影でもない限り、そこまで不都合もないのかなという印象も受けます。
もう一つは手ブレ補正機構の搭載がないこと。こちらはレンズの構成をシンプルにして画質を優先するという考えからだそう。
ただ、Sonyのα7シリーズはボディ内手ブレ補正機構を搭載しているので、Sonyユーザーの私にとってはその分安価で高性能レンズを手にできたのは良い選択だったと思います。
開放でも絞っても圧倒的な画質の良さを誇るこのレンズ。
自由な視点で景色を切り撮るマクロレンズの醍醐味を存分に楽しむことができます。
私もまだ全然使いこなせていませんが、もっと使い込んでその魅力を引き出していきたいと思います。