こんにちは、@silverlens.blogです。
6月の上旬、石川県小松市の那谷寺に行ってきました。
ここは紅葉の名所として有名ですが、この時期は鮮やかな緑がきれいな場所でもあります。
長い歴史と豊かな自然あふれる那谷寺での写真旅の様子を綴っていきたいと思います。
那谷寺
高野山真言宗の別格本山である那谷寺は、養老元年(717年)に白山を開山した泰澄によって開創されました。
平成29年には開創1300年を迎え、本尊の千手観世音菩薩像が開扉されています。
霊峰・白山を信仰する古刹として、全国的に見ても長い歴史があります。
境内に入って通り一帯に広がるのは、鮮やかな緑のトンネル。

那谷寺は苔がすごくきれいな場所としても有名。
梅雨時期は雨に濡れてより青みが深くなります。


6月ですがまだそこまで暑くはありません。歩いていても気持ちがいいですね。
ぶらぶら散策しながら撮り歩きです。


那谷寺の敷地内には、本堂・書院・三重塔、護摩堂、鐘楼の五つの国指定重要文化財があります。
参道から右手の山腹に入ると鐘楼と護摩堂が見えてきます。緑に包まれた坂道を登って鐘楼へ。


鐘楼は那谷寺で唯一の純粋な和様建築物であり、その建築様式は全国でも珍しいものとされています。

そこから少し歩くと護摩堂が見えます。
唐様と和様を組み合わせた折衷建築で、正面には不動明王が安置されています。


次は本殿に入っていきます。
参道から続く階段を登り、奥へと進んでいきます。


本殿には十一面千手観世音菩薩がお祀りされています。
またここでは「いわや胎内くぐり」を体験することができます。
本殿の中の岩洞窟は母の胎内を現わしているとされ、中を通り抜けると自身の罪や穢れを清めて生まれ変わることができると言われています。
洞窟の中は撮影禁止なので外の様子だけ。

洞窟を抜けてすぐ左手に広がるのは大池。
約30年前には大池から多くの遺跡が発見されました。
これらは約650年前の南北朝の争乱から戦国時代にかけて焼かれた那谷寺の址とのこと。
大きな力を持った仏教寺院として何度も戦乱に巻き込まれていたことがわかります。

大池の横を通って三重塔へ。
三重塔は寛永19年(1642年)、前田利常が幕府の徳川家綱の誕生を祝って建立されました。
中央には胎蔵界大日如来像が安置されています。
相輪の先端までの高さは11.5mで比較的小ぶりな塔。
下から広角で撮ると結構大きく見えます。


ここから奇岩遊仙境を見渡せる展望台に向かいます。
その道中に架かる橋は楓月橋(ふうげつきょう)
この橋は寛永時代に前田利常公が計画し、現代になってようやく実現したもの。
初夏の緑に鮮やかな朱色が映えますね。

こちらが国指定名勝となっている奇岩遊仙境。展望台からの景色です。
海底噴火の跡であったとされ、長い年月をかけて風と波にさらされることで現在の奇岩が形成されたということです。
長い年月を感じるとともに、独特の美しい景観が広がります。

最後は那谷寺の山門近くにある金堂華王殿へ。
ここは南北朝時代に一度焼失しましたが、平成2年に再建されました。
中にはご本尊の十一面千手観音、白山曼荼羅、泰澄神融禅師、中興花山法皇が安置されています。那谷寺の年中仏事もこちらで行われているということです。
朱色の立派な佇まいは圧巻ですね。


最後に
今回初めて那谷寺を訪れましたが、その歴史の長さと美しい景観には驚かされました。
古代から戦乱期、そして現代と歴史をたどりながら境内を周ってみるのも面白いですね。
ここは紅葉の名所ですが四季ごとに美しい景色が広がるので、何度でも訪れたいと思いました。